オール順天堂の“臨床力”を活用し、 新たな医療技術の早期実用化へ

技術やアイデアの社会実装を目指して、
企業や研究者にワンストップの支援を提供

順天堂大学のオープンイノベーション「GAUDI」では、まず大学が技術やアイデアの開発シーズを持つ企業や研究者と接触し、実用化の可能性が高いシーズを発掘します。世の中に開発シーズを持つ企業や研究者は数多く存在しますが、「研究を進めたいが資金がない」「社会実装の方法がわからない」といった悩みを抱えているケースが少なくありません。「GAUDI」はそんな企業や研究者とともに知財戦略を練り、資金調達を行い、研究体制を整えて、順天堂の大規模プラットフォームを利用した臨床試験を実現させます。その先には製品化・事業化があるわけですが、順天堂大学ではこの一連の支援を革新的医療技術開発研究センターにてワンストップで行います。
国内トップクラスの「臨床力」と医療の知見が集まる「地の利」
「順天堂大学の強みとは何か?」_「GAUDI」を推進する順天堂大学・革新的医療技術開発研究センター長の服部信孝教授によると、その答えは明確です。
「順天堂の強みは“臨床力”です。大学附属の6病院全体の病床数は3,400床以上、年間の外来患者数は300万人超、入院患者数100万人超に上
り、大学病院としては国内トップクラスです」さらに順天堂の「臨床力」としては、本郷・湯島地区に位置する地の利も見逃せません。新しい医薬品や医療機器を生み出すには企業との協働が必要ですし、時には他大学や学外の研究機関との連携も求められます。その点、本郷・湯島地区は大小さまざまな医療機器メーカーが400社以上あり、複数の大学とも隣接しています。まさに、企業や内外の大学の研究者が持つイノベーションのシーズを集めるには最適な場所にあります。

開発シーズをスムーズに臨床試験へ。
学外のエキスパートとも連携

革新的医療技術開発研究センターが設置されているのは、本郷・お茶の水キャンパスに新築された研究棟(A棟)の3階。学内外の開発シーズは、まずここへ持ち込まれます。すぐ下の2階には、研究戦略推進センターと臨床研究・治験センターがあり、隣接する順天堂医院と渡り廊下でつながっています。さらに4階~12階には順天堂大学のさまざまな講座・研究室が軒を連ねます。
研究戦略推進センターは学内の基礎研究の支援を担当。開発シーズが臨床試験へと進めば、臨床研究・治験センターが連携し、隣接する病院を使って一気に試験を進めることができます。
さらに特徴的な点は、学外のエキスパートが複数参加し、協力しながら開発支援を進めること。その顔触れは、知的財産に詳しい国際特許事務所、臨床試験を支援する企業、資金調達やマーケティングを担当するコンサルティング企業など。「学外のリソースを活用してフルサービスを提供する形は、従来の大学内オープンイノベーションにはなかった取り組みです」

誰も見たことがない技術・サービスの
新たなチャレンジが始まる

「GAUDI」は現在、試験的な運用を行っている段階ですが、すでに医療機器や再生医療等製品の研究開発案件の支援が始まっています。さらに時代の
先端を行くAIなどの相談にも対応しています。
現在、「GAUDI」が相談を受けている企業の中には、AIを組み込んで病院の機能を向上させるアプリケーションを開発する企業もあります。あくまでも想定段階の案件ですが、例えば、病棟で患者さんのベッドの下にセンサーを設置し、脈拍・血圧・体温などのバイタルデータを無線で看護師のタブレット端末へ随時飛ばす製品があるとします。朝夕のバイタルチェックを効率化させ、多忙な看護師をサポートすることができますが、企業が病棟へ直接お話を持ち込んでも、多忙を極める病棟ではとても対応できません。その点、「GAUDI」に相談があれば必要に応じて当センター内に病棟のセットを作り、看護師さんを招いてアプリケーションの機能と役割について説明し、実際に触れることも可能です。また、アプリケーションの導入効果の検証を行う上での試験デザインについての議論を、事前に病棟スタッフを交えて行うことで、現場の理解も深まり、より効果的な検証実験が行えるはずです。
ほかにも、医療分野以外の企業から「ライフサイエンス分野にチャレンジしたい」という要望も届いています。例えば、「土いらずで野菜を栽培できる農業用フィルムを医療に転用できないか」というケースでは、当センターに技術展示することで日々研究開発や臨床を行う本学の医師・研究者や「GAUDI」の協力企業・機関の目に触れる機会があります。どこからどんなアイデアが生まれて、どのようなイノベーションが起きるのか_それは誰にもわかりません。
順天堂大学のオープンイノベーションプログラム「GAUDI」は、2019年夏より本格的に始動を開始。今後も世の中に眠る開発シーズを掘り起こし、効率的に社会実装へとつなげ、研究開発の中核拠点を目指していきます。

世の中には実用化に至っていない優れた技術やアイデアが数多く眠っています。
これらの技術やアイデアの実用化への道を切り拓くことも、大学の大切な使命です。この使命を果たすため、順天堂大学はオープンイノベーション「GAUD(I Global Alliance Under the Dynamic Innovation)」をスタート。技術やアイデアの早期実用化により、患者さんへ、ひいては社会全体への還元を目指しています。
A棟(4階~12階)研究室
A棟(2階)研究戦略推進センター
A棟(3階)革新的医療技術開発研究センター